気まぐれソムリエのワイン語り~その12~
まぐれ更新 。
先日、ご縁があり
日本ソムリエ協会のお手伝いをすることとなり鳥取へ行ってきました。
以前・・協会役員をしている頃は、米子や松江を中心に例会開催して
いましたので
念願の鳥取県東部初開催
は自分自身にとっても嬉しいことでした。
講師は
社団法人日本ソムリエ協会 会長 田崎信也 氏
70人を超える方が来られました。
もちろん、鳥取で協会活動をされている、谷本氏の尽力の賜物です
「日本のワインと日本の酒」という題目の講習でした
諸事情により内容はお伝えすることは出来ませんが
ワイン初心者の方でも詳しい方でも楽しめる内容でした。
ご参加頂いた皆さまありがとうございました。
さて、そこを踏まえて・・・
実は今回は「甲州」のワインについてご紹介したいと思います。
「甲州」というだけあって、甲斐の国 山梨県 が生産量日本一となっています。
山陰では生食としてなかなか出会うことはありませんが
この 「甲州」 日本固有のぶどう品種で生食・ワイン用として生産されています。
近年DNA鑑定により日本固有と考えられていた「甲州」はヨーロッパ系ヴィティス・ヴィニフェラというワイン用ブドウと中国のヴィタス・タヴィーディという野生種のぶどうのDNAが含まれていることがわかりました。
これによって「甲州」ぶどうのルーツはヨーロッパと中央アジアの間にあるロシアに位置するカスピ海付近にあり
シルクロードを長い長い時間をかけて日本にたどり着いたと分りました。
そして、「甲州」は日本固有のぶどうですが、
アジア系のぶどうではなく、世界中でワイン用に使われているヨーロッパ系ヴィティス・ヴィニフェラのぶどうという事も分ったのです。
さて、この「甲州」ぶどう・・生食で見かけることがないのでどんな ぶどう か、気になりますよね。
白ぶどうになりますが「白」と言っても白色ではなく、やや紫がかったピンク色です。
果皮は厚めでぶどう樹の樹勢が強く、病気に強い品種だそうです。
湿度の高い日本の気候においてもあまり病気にかかることなく育てることが出来るそうです。
晩熟の品種で、糖度はヨーロッパ系の品種と比べるとあまり高くないため、穏やかな味わいのワインになる傾向があるようです。
で、ワインの特徴ですが・・ゆずのような和の柑橘や梨、日本酒や甘酒、みりんのような「和」を感じさせる要素を強く感じるのが「甲州」ぶどうから造られるワインの特徴となります。
味わい自体が穏やかでアルコールも控えめでいて、軽やかでスッキリとした味わいのタイプが多いように感じます。
飲んだ後に、苦味や渋みをわずかに感じられるのもこの品種をの特徴です。
造り方によって味わいはいろいろと変化しますが、現在の主流は「シュール・リー」と言われる、赤ワインの造り方と同じように搾った果汁を果皮や種と一緒に一定期間(果皮の色や風味が果汁に移るくらい)置いてから、アルコール発酵させてワインを造る方法です。
これによって、スッキリとしつつ旨味のある辛口タイプに仕上げることが出来ます。
他にも、樽で熟成させた厚みのあるタイプや早く収穫することで柑橘系の香りや強い酸味を生かしたタイプ、伝統的な優しい口当たりのやや甘口タイプなどがあります。
さて、この日本固有の「甲州」ぶどうで造られるワイン。
あの伊勢志摩サミットではこの「甲州」ワインが4種類出されたことはワイン好きな方なら記憶に新しいかと思います。
私自身、たくさんのワインを飲む機会がありましたが、生まれ育った「日本」のワインは心地よく楽しめます。
近年、ワインの銘醸地であるヨーロッパやカリフォルニアなどで修業された生産者の方が日本各地でその土地にあったぶどうの選定や栽培に多くの時間を費やし、より美味しい日本のワインを造っておられます。
一緒に楽しみたい料理も、やはり・・日本料理。その土地の名物料理との相性も抜群です!
山陰でも、「甲州」ぶどうのワインはもちろん様々なワインが造られています。
お土産として流通されることが多いですが、是非、素敵なグラスで地元の料理とともにお楽しみください。
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